歌と宝石/秋葉竹
 



夢をみた起きたら泣いてる

桃色のあたたかい空気が澄んで

いつまでも寂しい花が一輪

枯れずに名前さえ知らない

なにが自由か知らずに飛ぶ鳥

七色の虹へ向かう訳も知らない

オモイ喉元におさえこむ星月夜


夢をみたあなたは泣いていた?

あたたかく微笑みながら震えている

寂しい花がひらひら花びらを落とす

白いあなたの小指の爪のような

自由にはなれないからみつくシガラミ

訳もなく泣いていたねあの夜

裸ですきとおるふたり星月夜


罪ばかり残る生きかたをしてきたか

爪を研いで猫になりたいな

さようならこれは予言だハズレて欲しい

あなたの生きざまと真逆に成り果て

てきとうにこぼれ落ちる言葉

てきとうに転がる小石蹴り上げて

さようなら『歌と宝石』のあなた


そんな美しい霞みがかった夢の中


夢をみた


起きたら泣いてた










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