切なる願い/
坂本瞳子
素足にサンダルをひっかけてベランダへ出る
飛ばされそうな洗濯物をピンチで留めなおす
冷たい風に吹かれて寒さが身に沁みる
そんなことが繰り返されて春を夢に見る
生暖かな風に舞う桜の花弁を思い浮かべる
清らかな小川のせせらぎに鶯の鳴き声が響き
芽吹くつくしやたんぽぽの蕾に触れて
満喫する春の温もりに抱かれて
寒い冬を越えてみせようとひたすら願う
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