詩の日めくり 二〇一八年十三月一日─三十一日/田中宏輔
「そんなにまえ?」
「たしか、そうでしたよ。」
「うそみたい。」
ほんとだ。
うそみたいに時間が過ぎていく。
「思い出した。
夏ごろやったね。」
うなずきながら笑う彼。
笑い顔が子どもみたいやった。
「このあいだ、ミクシィで
キッスについて書いてね。
フィリピンのゲイ・ビデオの一部がチューブになってて
それを貼り付けてね。
子どもみたいな顔をした青年が
ウィンナーのはしっこをくわえてね。
それを口にくわえながら
相手の口元にそれをもっていって
もう一方のはしっこをくわえさせるときに
半分、笑っててね。
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