喫水線/茶殻
 
人さえも様子を伺って小さく門扉を開けた
少年に宿る神には川を越える翼がなかった

猫の首根っこを掴みながらアオザイは西の地平に指を差した
流れ星の行方と彼女の眼を繰り返し示した
振り向くと
初めての情熱がたしかにあった

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ときにひとびとは命を絶つだろう
あなたのそばで
あなたの祈りの中で

塔は鋭く峰を描く
三次元を突いて
超次元に向けて

情熱の甘露を享受する
いま あなたの祈りから
巣立った少年の

あれは 羽根だ
テープとともに解纜した船は
風のまま大洋をゆく

喫水線を上下する波に
呼吸の本能を知る
彼はゆく 大洋をゆく
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