私たちはセイレーン/
あらい
空瓶の呟き
ひかりのかけら
くさりかけの罅と膿
とうに涸れ創めた愛の欠片
海は沈み果てしなく鈍い天から覗く 光さえも煩わしく
歩くことさえ困難で、然し惹かれるのは 何故か
祈りなのか希望なのか
恋文に這う「あなたを愛しています」
言の葉は果てしなく、なまなましい。
泡の中で孵化した屍が、誰にも届かず、
何千と取り除かれて貯まっていく物乞いが、確かに聞こえて
この閉ざされた間では、祈りさえも諦めるほど
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