喫茶店にて/坂本瞳子
 
開いた手をいつ閉じたらいいのか
そんなことを考えていた
決してつまらなかったのではないけれど
なにを話したらいいのか
どう相槌をうったらいいかなんて
さっぱり分からなかった
水を飲むタイミングさえも
スプーンもつかみそこね
足元で空を蹴り
苦笑いも出来なかった
もう一刻も早く逃げ出したかった
ただそれだけだった
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