ボーダーライン/大覚アキラ
ひんやりしてる
ああ、とてもひんやりしているんだ
きもちいい
すごく、きもちいいな
この、
世界の内と外の境界あたりは
とにかくひんやりしていて、きもちいい
それにしても
馬鹿じゃないだろうか、おれは
世界について
世界の内と外について
世界の内と外の境界について
そういうことをいろいろ考えながら歩いていたら
いつのまにか境界線のところまで来てしまった
飛び越すべきか
引き返すべきか
飛び越すとしたら、それは
右足からか
左足からか
で、タイミングを逃して
泣きながら引き返すことになるんだろうな
結果的には
ただ、今は、この
ひんやりしたかんじを
なんとなく楽しんでいる
それで満足している
なんとまぁ頭の悪いやり方
驚愕に値する愚かさ
絶望的な決定力不足
ゴールはまだまだ遠いようだ
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