それきり/あらい
 
かの実
浮き草のように未だ放浪する

遊歩道はもう消え入りそうなほど

しずかにひっそりと恥じらう陽と刺し違える

(さようなら糠星たち)

それとなく夜空に散らばる無数の郷里、
荒々しく素晴らしい展望台から薄明の宴を催す世に、
自らに緋を点した者たちを浮かび上がらせる

暗示をだしぬけに払いのける灯台の未知
難破船に寄り添う無数の蛍火を思い返してしまっては、
ただただ言葉を失っていく。

(ただこの目で見届けねばなるまいと固く誓う)

それでいてゼンマイは早回しに蜃気楼の風穴と近くて
遠い未来を道連れに、したいだけ
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