雪洞/あらい
 
と それにあたって鮮血を流した女を見た

ちょっとした弾みで脱輪した者は 
ちょっとした襞に絡まり緩んだたわみに惹かれていく

酷く愉快な話

野菊は乱れ 
オモチャの兵隊は散らばる 
夕餉の残り香が一線 狼煙のような

カラフルな葬列にちかづくように

壇上の大団円 肥太った雪解けは近そうにあった

明るめのアーケードから、
とろけるあかりと影に溜まるホコリばかりの
塗り固められた今日という光を生かすだけの生彩処置

遠回りの雪洞を抜けると、ゆらめくだけの ほのお。
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