矛盾にまみれのそれは/
坂本瞳子
花は咲くのだろうか
この寒空の下
風に吹き付けられて
身を震わせているくせに
光を浴びて
水を浴びて
いつの日か
緑を輝かせて
その花弁を大きく開くことが
あるというのか
夢物語は聞き飽きた
幸せな妄想など捨ててしまえ
だがそれでも諦めないというのか
棘のひとつももたないくせに
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