姿見./あらい
 
に生まれたのだ》

 息を整え打ち直す、何時か誰かの心臓の近い処を、ととんと ハクをうずめて、
遺言書を紐解いては
(指を滑らせて生ける・共に歩む輝石となる)
これが意思だとしても
 留まることの無い螺旋を、搦め取れたら仕舞いまで。魂は浄化に迎えられると、世界は言わしめていたのだと、遂に終に思い出す度に。私のたわいもない弾き騙りを、見透かすような

 その金切り声は嗚咽の酔う。寂れたオルゴールは碌でもない音色で鳴いている。
 勝手、囀る誰そ彼の薄明を塗替える青い鳥は番い、どこか 薄らまなこの夢の残滓の如く。沁み出して緒として往くものだから、終わらないフィナーレに酔い狂うばかりで。

 そうさなぁ、泪がとまらないのだ

(2020/07/10)
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