冬に向かって/
ミナト 螢
冬に向かって息を吐くと
答えが返って来るのに
それを読むことは出来ない
誰かが私の本を
借りてしまったように
冬は長くて
マフラーをきっと折り曲げる
街を歩けば
イヤフォンの中身が
誰かと入れ替わるまで
笑えない気がして
私は私なのに
どんなあみだくじ
引いてやろうか
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