風が我楽多を靡かせる/あらい
 
あかりのふもとは、深夜
ふらふらと
ただただ
微動だにしない、蝴蝶を追いかけて 転げ落ちる 

とどまることを知らず 無神論者のうたに
今に 今に 手をのばしている、
あれは 路地裏を縫い付け、ひと目につかぬように囲う、
ひというひを 抱え暮らしていたのだ

(それに縋っているだけなのかもしれない)
ただそれだけのことにひれ伏してしまいたい

救われもしない。自堕落にも盃に揺らぐ思いを呑み下して
たゆみなくあらわれる時を、酔いに任せ、なにごともなく

過ぎ去る今に変容する
すがたは、

不意に哭いていることにきづき、
誰かを求めているのだとおもい
見えない箱庭をかきみだしている

これらは無意味にも等しいことを、覆い隠して
兎角嘲笑う、さすれば感傷に浸るだけの私として
先ずは置かれているはずだった

きまぐれは我楽多を捲りあげ
意識は途切れている
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