夜の底/ミナト 螢
 
膝を抱えて
この部屋に沈む
自分だけが
小さくなって

叶わない夢だとか
届かない声だとか
暗闇のせいにして
息苦しくなるから
海の底だと思った

もがいて
足掻いて
黒い爪を見る

夜を剥がした
冷たい色

空気よりも軽く
優しさを伝えるために
真っ直ぐな
髪を梳かしたい
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