ひとは生きるために生まれてきたんだと、夢をみる/秋葉竹
銀杏が舞う舗道を
ゆっくりと歩いて
いろんなことを想いだすけど
恋することは、罪じゃなかったし
そんなことより
あの部屋にたどり着いて
ブラックコーヒーを、飲みたいな。
暗いこと考えていても
なにもはじまらないし、ね。
ひとは、生きるために、生まれてきたんだ、と。
それとも?
ひとは、恋するために、生まれてきたんだ、と?
たとえばこれから季節はナイフみたいな
すべてを傷つける冬へと向かうのだが
そんななかでも、厳しい寒さに耐え、
あったかい部屋で
それが夢物語でないと断じて
こう、
いい続けてしまっても、良いだろうか?
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