夜明けのうた/秋葉竹
 


そとではなにが
凍っている音がする

わたしにはそれ以外
なにも聴こえなくて
それにしてもこの部屋は暗いんだ
そしてそのことを
喋れる人ひとりいない夜

あらためて時刻をみると
3:33

馬鹿みたいだけど
少しだけ優しくなれて
窓を開けて裸の街をみると
ふと泣いている裸の心がある

冬の夜の街はかじかんで
なぜかむかし
廃線の線路を歩いたときのことを
想いださせる

いそいで窓を閉めて
カーテンはゆっくり閉める

けっこう可笑しみながら
深い闇に怯えるこころを
ぎゅっとじぶんの手で
抱きしめてあげる

もう
夜明けは
近い









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