詩の日めくり 二〇一八年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
か知らないけれど、楽しみだ。

 鼻の傷口を拭いたら、膿がついた。鼻の穴の横がいちばん痛い。鼻の頭じゃなくて、どうして、低い場所がひどい怪我をしてるんだろう。鼻の頭は無事。ああ、そうか。顔が地面と衝突するとき、本能で顔をそむけたからだな。ぼくは怪我からも学ぶことができるということに気がつくことができて、うれしい。

怖いもの見たさに、自分の顔を鏡で見るなんていう経験もはじめてだ。

 雨がうるさくて睡眠薬が効かない。雨は、どうして、こう神経をいらだたせるのだろうか。憂鬱である。まあ、憂鬱ついでに、ジャック・フィニイの短篇集『レベル3』でも読もうか。もう何十時間くらい起きているのだろうか
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