それがたとえ正しくないとしても/秋葉竹
世界は、苦しんでいる
暗い闇夜で、苦しんでいる
だれも
悪くないのに
だれも
生きたいだけなのに
世界は、血塗られている
いまこのときも、血塗られている
そしてなにものでもないけれども
私はそれを許そうと思う
だれが悪いとか
だれが嘘つきだとか
だれの心が汚れているかとか
問い詰める
ことはせずに
それを
ただ、許そうと、思うのだ。
でも、それは間違っていて
たぶん、傷つき、泣き、怒り、
そして、憎んだほうがいいのかもしれない。
それが
ちゃんとした正義だとしても
それで
私じしんが
正義でなくなるのだとし
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