すすき野原/
服部 剛
夕暮の秋風に吹かれ
すすき野原が靡(なび)いている
僕は風に逆らう
なのに遠い夕空は優しい
道は何処までも下り
またどこまでも上り
やがて雲は
夕陽の顔を隠すだろう
旅人よ
恐れるなかれ
そして、畏れよ
今・ここ にいて
やがて誰かと出逢う
日々の素朴な邂逅(かいこう)を
秋風の吹くままに
旅人は往くだろう
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