The Root Waste Disposer/ホロウ・シカエルボク
 
滑落し、転がり、露出した幾つもの岩石に研磨されながら、激突し、砕かれ、折れ、失い、果てしない距離を、途方もない時間を、次第に確固たる死へと導かれてゆく、ただの夜に迎える感情のおおよそにはそんなビジョンがある、それは正面では上映されない、スクリーンは、隠れるように、けれど確実に、微かにとらえられる、そんなポジションを常に維持している、そして、繰り返される、同じ衝撃、同じ痛み、誰かが人生は糾う縄だと言った、必ずしもそうではないと言い切れるのはこんな夜の我が身をおいて他にないだろう、人生、悪いことばかりじゃないよ、なんて、そんなおためごかしを本気で信じることが出来るのは、所詮枠内で生きている人間ばかりだ
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