詩の日めくり 二〇一七年十二月一日─三十一日/田中宏輔
てたんだけど
タイプがいなかった
少し明るくなってきた
朝の5時ころに
ぽつんとひざを折って坐ってる青年の姿を見つけて
近づいていったんだけれど
彼はべつに警戒するわけでもなく
またゲイでもなかったみたいで
ほんとに数学の問題を考えてて
部屋を出てきたみたいだった
ぼくは彼の指先を見て
きみ
みかん食べてたやろ
というと
なんでわかるんですか
って返事
ぼくは
その男の子の手の先を指差して
黄色くなってるからね
っていった
そういえば
ゲイスナックで
むかし
隣に坐ってたひとに
あなたの仕事って印刷関係
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