詩の日めくり 二〇一七年十一月一日─三十一日/田中宏輔
読み直していたものなのだが
一か所の記述に、ふと目がとまった。
記憶がより克明によみがえって
あるひとりの青年の言葉が
●詩を書いていたときの言葉と違っていたことに
気がついたのである。わずか二文字なのだが。
つぎのところである。
●「こんどゆっくり男同士で話しましょう」と言われて 誤
●「こんどゆっくり男同士の話をしましょう」と言われて 正
誤ったのも記憶ならば
その過ちを正したのも記憶だと思うのだが
文脈的な齟齬がそれをうながした。
音調的には、正すまえのほうがよい。
ぼくは、音調的に記憶を引き出していたのだった。
正せ
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