詩の日めくり 二〇一七年十月一日─三十一日/田中宏輔
のあいだに、このような傑作がひとつでも書ければ、作家として満足だろう。詩人としても満足だ。
二〇一七年十月十二日 「守ってあげたい」
フトシくんのことは何回か書いているけれど、彼がぼくのためにカラオケで歌ってくれた「守ってあげたい」は、ぼくの好きなユーミンの曲のなかでも特別な曲だ。
二〇一七年十月十三日 「ふるさと遠く」
眠れないので、ウォルター・テヴィスの短篇集『ふるさと遠く』をいま読んでいる。傑作だった記憶があったのだが、まさしく傑作だった。冒頭からフロイト流のセックス物語で、2作目から幽霊の実母とまぐわう近親相姦の話だとか、まあ、まったくSFとい
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