静寂の裏側の出来事/ホロウ・シカエルボク
 
んだ、まったくうんざりするよ、朝から番まで僕を撫で回して陰鬱な比喩ばっかり書きやがってさ、あのさ、と僕は作為的な冷たさを演じながら言う、君は随分優しく撫でてもらうことに慣れているんだろうね、やつは顔を真っ赤にして、搭載されている様々なサウンドを次々に鳴らす、そして、もう知らない、勝手にしなよとそっぽを向く、僕はやつのホームボタンを何度も押してからかい、ゲタゲタと笑う、そんなことをしている間に語尾はもっと弛んで、どこまであるのかわからない洞穴のずっと奥の方に足を伸ばしていた。

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