静寂の裏側の出来事/ホロウ・シカエルボク
 
僕は思った、生まれたときからずっと、肉体の周りで蠢いている限定されたジャンルのリズム、そいつには名前のつけようがなかった、といっても、あくまで、感情という部分でということだけど―強いて言うならばそれはいらだちとでも呼ぶべきものだったかもしれない、でもそれはそんな冠を乗せるには少し緩慢に過ぎたし、いらだちという感覚自身、僕にとって馴染みのあるものなのかどうかというのは非常に繊細で微妙な問題だった、それがどこから始まったのかは自分でもよくわからないのだけど、ある種の人間たちがこぞって人間らしさと呼びたがる様々な感情を、僕はどこかに置き忘れてきたらしかった、僕はどちらかというとそういった人間らしさという
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