標準ジャップ/ホロウ・シカエルボク
 

標準ジャップ、標準ジャップ
標準ジャップ、標準ジャップ


オンギャと生まれたその瞬間、だけは
天使のようないい子でした
家に帰ったその瞬間から、乳くれ早くくれ今くれと
朝と泣く昼と泣く夜と泣く、うら若き母親疲労困憊
歩き始めたら無法地帯、オモチャに洋服おやつの散乱
掃除しても掃除してもなお片付かず
夫婦喧嘩も後を絶たず
豆だろうとペンだろうとなんでも食う、襖だろうと障子だろうとなんでも破く
幼さゆえの残酷さ
母親はキッチンでため息を繰り返す、幸せってなんだっけ
いまはなんだか分からない


標準ジャップ、標準ジャップ
標準ジャップ。標準ジャップ



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