訪問者=妖怪/凍湖(とおこ)
 
深夜、明かりを落としたベッドの横に
弟の友の顔をした妖怪が困り果ててやってきた
助けてくれという彼に
たまごスープを提供し
添い寝した

小声で尋ねる
ねえ、あなたは他人の顔になって生きるのでしょ?
あなたになり変わられた人はどうなるの?

妖怪は困ったようにほほえむだけで
わたしはふたたび眠りについた
すべて穏やかな闇のなかで

明日はすっかりなり変わっているかもしれない
期待している
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