夜を生きてゆく/秋葉竹
 

やさしい時もあったから
やさしい人もいるから
やさしい歌も流れるから
迷いながらでも
生きてゆく、生きてゆく


慈しみなんて
夜になれば静かにやって来るのだけれど
だから
夜にはたまには
泣かずにはいられない夜があったり
するのだけれど

ただいつも夜は
どんなに長い夜も
かならず明けて来たから

いつか
死にたいと願ってしまった夜でさえ
あれほどの豪雨の夜も
ちゃんと
明けたのを
知っている

知っている

そしてそのことを

二度と忘れない

夜を生きている


なにをしていても時は過ぎてゆく
その道を
歩き続けてゆく


それを忘れずに

きっと生きてゆく

ずっと生きてゆく








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