火傷しながら歩いてく/祐伸
こころないことをしたあとに
ふりかかってくる 火災でした
いい気味だと桜の木になげかけて
ふと時が過ぎれば 散っていました
ときどき っていう時間がすぎていった頃は
洗ったばかりと 今朝上がったばかりの
あられだ
流し込んだ水が 重い口を開く
少し火傷をしたからって 俯いていた
電気を消してひとりになった後さ
少しも痛くないよって 絵画したつもりの
涙が
なんだか一人歩きだなぁ
夜でもない街を歩き回った
昼なのに淋しくなったりしたんで
テレビとかインターネットとか
身近にないやさしさに別段あこがれたわけでもないのに
掘り起こそうと思えば
幾らでも出てきてしまうから
それよりもやっと迎える暖かさを
大の字で受け止めるだけだぜ
少し期待しすぎたような 野良犬は
起承転結をまちわびたようなんだ
少し忘れかけていた 僕なんか
本当は忘れて欲しくないんだよ ほんとは
ね
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