silence/ミナト 螢
 
雨が降っている間は
動かないでいよう

ズボンの裾を折り返して
恥ずかしい靴下を
誰かが笑ってくれたら

ピンポンみたいな会話で
飲みかけのコーヒーにも
負けない温かさが
胸を通り抜ける

モノクロームに固まった
自分の声を
突き刺すような
街のノイズが

傘の先を下げる
タイミングを忘れさせて
もう何も見えない
明日がまたやって来る
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