温泉プール/服部 剛
旅先の温泉の
露天風呂から上がり
室内の入口で
横を向くと
だだっ広い温泉プールがあった
どぼん、と入り
ぴょんと跳ねれば、ふわり
もうひとつ跳ねれば、またふわり
さらに跳ねれば楽しくなって
ペンギンのような気分になってきた
ぴょんと跳ねるたびに
最近太り気味のぜい肉が
上から下まで、どこもかしこも
お湯とともに
たぷん、と動く
プールのながーい反対側に辿り着き
こおろぎ君に似た者が
水面(みなも)でじたばたしてるから
えいやっ と手のひらですくえば
不思議なことに、姿を消した
ながーいプールを
跳ね続け、一周した後
プー
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