牙をむいた虎/viraj
人というのは、時にその人生の限界が見えるときがある。
でも、本当は限界なんてない。究極的には。
愛は愛のいかなる敵も破壊していくから。
生涯を通じてたいした女縁も無い男が、つぶやこうとした言葉は、
あまりも散文的で詩になどならなかった。
しかし、彼には彼の美点がある。
今年の夏は花火見えるかな。
もういい年だ。
獣性にしたがって相手を傷つけるのはやめよう。
でも、人生を我慢しながらあきらめながら苦しみながら生きていくのはごめんだ。
必ず至福にいたってやる。
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