皆はサッカーに夢中だった/komasen333
 

サッカー中継に
皆が夢中の時間
私は一篇でも素晴らしい
詩を書こうと
ああでもない、こうでもないと
ノートに書き殴っていた

本当は少しだけ
サッカーの結果も気になってた
けれど
ここで皆と同じように
サッカーを見て感動してては
いつまで経っても
私の力で皆を感動させることは
二度と無理な気がして
今は書かなきゃと
妙な自惚れと使命感に燃えてた


歓声が聞こえてくる
テレビ画面を破る勢いで
歓声が聞こえてくる
一階の茶の間からドカーンと

私もいつか
あんな歓声を
この詩で、この存在で
巻き起こせたらな
巻き起こさなくちゃ


サッカー中継が終わって
皆が寝静まる頃
いくつかの詩ができていた

この中の
原石を磨き抜き
素晴らしい一篇を完成させ
明日届けたいな
世界に届けないとな

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