SEASON/ミナト 螢
 
陽が残る夜は
ただ照らされて
その気になるだけだ

世界と同じように
泣いて笑って
影の形をぼんやりと
なぞる風は
どこから吹くのかな

いつもひとりで
ふたりぶんの
景色を用意している

遠く離れた心で呼んだ
君と僕の物語に
栞を挟むみたいな
線香花火は

何度目の夏も
砂埃の中で目を擦る
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