言葉の寝息/
水宮うみ
私があなたに話しているのを、そこから見ているあなたがいて、
私が私自身に話しているのを、どこかで見ている言葉がいた。
あなたに向けたつもりの言葉も、結局は自分自身に向けられていたのかもしれない。
顔を見ても会話をしても心の全部は分からないから、言った言葉の向かう先はいつも暗くて見えない。
それでも、あなたの優しい言葉が今も私の内側に息づいているように、
誰かへ向けた私の言葉も、どこかで元気にやっていたらいいなと思う。
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