落涙器/komasen333
そこから見れば
快晴にしか見えないのだろうが
ここから見れば
ひとしきり土砂降りのような悪夢
手渡しておくべきだった
吹き荒れる直後の懺悔も
ほどなく形式的な表層に漂着
代案らしい代案も出さず
議論することの価値を議論し
いたずらに後らかしていく腐臭
何度目の過ちか
数え、分析し、評価するのが馬鹿らしい
忘却を危惧していたことさえ
なめらかに忘却していくことに慣れっこ
奏で落ちる弦楽
憂いを増していく夜半
気軽な現実逃避とは思いつつ
落涙することでしか
この時代に この場所で
絶望に浸ることも満足にできそうになく
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