その灯りが灯ることの全て/
水宮うみ
その灯りが灯ることの全てがわたしの全てで、公園に腰かけたり、元気そうな集団を避けて歩いたり、目と耳と鼻と口と手と生き物と複数の壁、この部屋での暮らしが綺麗な明るさになれない。
マンションの知らない部屋が灯ることに胸を打たれる、美しいから移り変わっていく永遠に、わたしにしかならない感情の暗がりに身を預け、生命の灯る動的なわたしのことなんか分からなかった季節に作った針金。
星の灯らない夜の副産物がきみのことになった。
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