詩の日めくり 二〇一六年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 

道行く人はみな知らん顔を装っていたが
それでいて
磔木の影さえ踏まないよう
用心しながら通り過ぎて行った


二〇一六年十一月十日 「『フラナリー・オコナー全短篇』下巻」


『フラナリー・オコナー全短篇』の下巻を読んでいたのだが、黒人が出てこない作品がほとんどない。まだ差別のある時代に書かれたものだからかもしれないが、それにしても黒人の言及が多い。逆にいえば、モチーフにそれ以外のものを扱うことができなかったのかもしれない。

二〇一六年十一月十一日 「死刑制度に反対する人たちに対する死刑制度賛成論者たちに提言。」


犯罪者を遺族たちに殺させるというもの
被害者
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