君が死ぬとき/竜門勇気
 
君が死ぬとき
流す言葉を集めて
冷たいコップの中で
氷に溶けるのを見ていたい

季節が変わる頃ってのは
何もかもが不安定だ
雨の温度や風の強さ
気に食わないものばかりさ

君が死ぬとき
落ちる言葉を集めて
甘いお菓子を食べたあと
一息に飲み干したい

視界に入る自分の心は
いつも頑なだ
錆び落ちた廃墟の脆さ
でも決して朽ちたドアは開かない

君が死ぬとき
零れた言葉を集めて
カセットテープに詰めて
暗闇を行くときに思い出したい

誓いの数だけ
口に禁をかける
声は風になる
風について、声であるって結論にしか到れない
風は吹く、だから、声もや
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