流れる六月/AB(なかほど)
 
昨日の夜と新しい朝と
越えてきたいくつものこと


少し通勤時間をずらしたぐらいでは
気分は晴れるものではないけれど
流れる景色に
少しだけしがみついてみる


それは
セピア色の絵に誰かの胸がふるえるように
しゃがれ声の歌に誰かの胸が痛むように


抱えているものに
すぐに気づいてしまえる君たちが
うつむくことはない

うつむくことはない
そんな世界へ

景色は流れている

流れているのだから


   



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