詩の日めくり 二〇一六年十月一日─三十一日/田中宏輔
経に根を下ろす
鈴の音が鳴る
財布につけた鈴の大きさに
月が鳴っている
ゼノサイド
月を血まみれの両の手がつかんでいる
月の大きさの眼球が
地球の海を見つめている
海は縛りつけられた従兄弟のように
干からびていく
宇治茶もいいね
宇治茶もおいしいね
ジミーちゃんと話してるとホットするよ
そてつ
そうでつ
お母さんを冷凍してゆしゅつすることを考える
緊急輸出
脊髄はちゃんと除去してからでないと輸出してはいけません
冷凍怪獣バルゴンっていたな
人間の死体を冷凍して輸出することは法に違反しているのかしら
冷凍ママ
冷凍パパ
なんてスカンジナヴィアで売っていそう
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