深い夜の砂漠/ホロウ・シカエルボク
 
回転体のオブジェの間を潜り抜けて、濃紺の闇の中で和音の乱れた子守唄を聞いた、心の中に忍び込んだそいつらの感触は夕暮れに似ていて、ノスタルジーは現在と比べられた途端に苛立ちへと変わる、犬のように牙を剥き出しにして、だけどフレーズとして生まれようとする衝動だから、進化を求めることが出来る、アドレセンスの扉は閉ざされることはない、共通概念や社会通念を言い訳にはしない、逃げ道を用意する人間たちのみがそんなものの中に溶け込んでいく、貨幣価値と同じレベルのイズム、彼らの人生は鮮やかにデータ化されることが出来るだろう、数十年をルーティン化して生きるなんて、能動的な洗脳にも似た悍ましさを何故に誇らしく生きることが
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