ダイヤル/山下ヤモリ
砂浜でラジオを聴いていた
ラジオのダイヤルをまわせば
ザザンザザザン
あなたが水平線から流れ着き
ラジオのダイヤルをまわせば
ザザンザザザン
あなたはさざなみに融け帰っていく
そういう風にわたしたちは繋がっていたはずだった
午前2時
意味が無意味に切り替わるころ
わたしたちはダイヤルを合わせて出会った
なるべく、たくさんおしゃべりをした
午前四時
無意味が意味に切り替わる頃
なるべく、たくさん手を振った
次また会えたら、もう少し幸せでいようと
誓い合い想い合った
あなたの恋人になるより
そういう風に私はあなたと繋がっていたかった
午前2時
無意味な世界の砂浜
私はあの波をずっと待っている
あなたの声はさざなみに融け帰ってこない
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