ドアノブのない扉/花林
 

気づきやしない
アリバイも
ドアノブのない
扉も

全て全て
君が根源だから

情け無用の
降り様も
見ようとしない
現実も

なにもかもが
君が出した問いで

溢れかえる人々
街は休むことを知らずに
人混みをかきわけてく

稲妻にうたれた
ような恋さえ
しどろもどろで
言い訳がましい


行方知れずの
愛情も
またと来ない
瞬間も

いまだいまだ
君が生み出すから

吐息をつく
時計が告げる
順序が違う
有様も

みながみなが
君が誘った故に

かもしだすムードに
ついて行こうとするのに
真実はわからずじまいで

恋に恋していた
あの頃の夢さえ
ふりかえられずに
しまいこんだまま

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