料理で俳句? ボルシチ/SDGs
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たいめいけんは食券制度になっていて、入り口正面にカウンターがありその奥に老嬢が座って切符のような薄い紙を寄越す。私を見て
「・・・(また来たよ、このボルシチ男が)・・・」
と無言で五十円と引き換えにボルシチ券を差し出す。
私は私で
「・・・(ほんとうはあと三枚は欲しいんだがなあ)・・・」
私には食い物に関しては徹底するクセがあって、赤ナマコがあれば店中のすべてを食べてしまう勢いで注文するし、小ぶりでやわらかそうなアワビがあれば、ある分すべて平らげてしまう。河豚の刺身でも・・・以下同文。金を落とすということでは上客なんだろうが、多くの客に喜んでほしいとネタを仕入れた店にと
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