一輪の花もない/秋葉竹
ひとり暮らしが長い
いつのまにか
ひとりの部屋でさえ
つく溜め息
気がつけば
カラフルが部屋から消えている
このまま立ち止まったまま
死ぬまで生きるのだろうと
よせばいいのに
人生を振り返る
細い田んぼのあぜ道を
歩きつづけてきた
ただの一本の道を
気づけば
なにもない部屋に
住んでいる
泣くかな
と思ったら
笑ってるじぶんがいた
人生ってそんなもんですよねぇ
って
じぶんでじぶんに言い聞かせる
一輪の花もない
エアコンだけはよく効く部屋で
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