鉛筆/アンテ
テスト用紙の四角い枠に答えを書こうとすると
鉛筆の芯がぼきっと折れた
クラスメイトの鉛筆が
かりかり音をたてて問題をといていた
ふで箱をあけても
先のとがった鉛筆はもう一本ものこっていなかった
ひとつのこらず折れてしまって
木のとげとげのまんなかに
芯のかたちの穴があいていた
先生は大きな木の定規を振りまわしながら
教室じゅうを行ったり来たりした
木のとげとげの部分を
爪でむしると
木が指に刺さって
びっくりするくらい血が出た
テスト用紙のうえに落ちた
クラスメイトはつぎつぎと
問題をときおわって
先生に答え合わせをしてもらって
運動場へ遊びにいった
木
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