地上の三日月/ホロウ・シカエルボク
 
嗄れた外気の中で、うたは旋律を失い、ポエジーは冬の蔦のように絡まったまま変色していた、ポラロイドカメラで写してみたが、案の定浮き上がった風景にそれらは残されてはいなかった、なのでそれを幻覚だと認識したー幻覚だと認識した?ふざけたフレーズだー空では黄砂が入れ過ぎた砂糖のように踊り、それが原因なのかどうかは分からないが目の端が痒くてしかたなかった、雨の続いた数日のあとの晴れ間、街は安堵と上がり始めた気温へのため息で陽炎のように揺れていた、放置された小さな公園では色の無い草が高く伸びて、ずっと眺めていると草むらに間違えて滑り台が生えてきたかのように思えた、数の多いものが正しい、この小さな世界の定説という
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