詩の日めくり 二〇一六年三月一日─三十一日/田中宏輔
んでるときに、医者に呼ばれた。『フランス短篇傑作選』さすが傑作選だわ。とてもよい。数日前に買って読んだ『極短小説』あまりにしょうもないので捨てるわ。やっぱり、本棚には傑作しか置いておく必要性がないもの。そいえば、岩波文庫から、ゲーテのファウストの新訳が出てるのだけれど、困るわ。森鴎外以外のすべてのファウスト訳をそろえている身にとっては。『モーム語録』を半分くらい読んだ。おおよその思考のパターンはつかんだ。
二〇一六年三月五日 「寄せては返す彼。」
寄せては返す彼。?
寄せては返し
返しては寄せる彼。
彼の身体は巌に砕け
血飛沫をあげる。
月が彼の上に手をの
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