真空/
ミナト 螢
痛みがどんなものだか
分からなくなって
転がっている石を握ってみたよ
それは冷たくて
誰の手にも渡せない
僕の心だった
きっと真空で
生きているつもりだけれど
少しの余白が怖くなる
君はもう行ってしまったのに
左側に寄りかかる癖を
今だに治せずにいる
人が見てると死ねないから
跳ねた体に元気と打って
永遠を閉じ込めたように笑った
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